肉類(牛肉・豚肉など)
ヨーロッパ料理では、牛肉、仔牛、豚肉、ラム、マトン、山羊は重要な役割を果たしています。飼育にはさまざまな技術が用いられ、品種は古代ヨーロッパにまで遡ることができます。農場から精肉店、飼育から肉の取り扱いに至るまでのあらゆる側面をカバーする高度な安全対策と管理のおかげで、EU産の肉はとても安全で高品質なのです。
安全性
EUで飼育される牛・豚は、個体ごとに登録されているため、買い求める際にどの農場・農家で育ったかまで追跡することができます。登録制度は効果的に疫病を防止する役目も果たしており、EUの家畜福祉政策は、一頭一頭が良い状態で育ったことを保証しています。さらに肉が汚染されていないかの確認は、それぞれの段階で衛生管理が行われています。
地理的表示
地理的表示によってアイルランドのコネマラの丘、ギリシャのエラソナ・ラムなど、特定の地域で生産された肉を保護しています。原産地呼称保護(PDO)および地理的表示保護(PGI)は伝統的な生産方法を保護し、製品が本物であることや原産地を保証するものです。たとえば、デンマークのワッデン・シー・ラムの特徴的な風味と食感は、デンマーク沿岸独自の気候や塩分が多い土壌と強く結びつき、生まれるものです。
素晴らしい味と栄養素
必須栄養素を豊富に含む、おいしいEU産の牛肉や豚肉。タンパク質、亜鉛、鉄分、ビタミンBを存分に含み、バランスが良い食生活の維持に役立ちます。
伝統的なヨーロッパの保存法
ヨーロッパでは、肉は主に塩漬けや燻製によって保存されています。ドライソルトや塩水を使った塩漬けは、多くのPDO、PGI肉製品に用いられている伝統的な方法です。塩漬けで細胞から水を抜くことによって、微生物の繁殖を防止できます。最終的な塩漬け製品には、イタリア・ヴァルッテッリーナのブレザオラなどがあります。ブレザオラは生の牛肉などを塩漬けしたものに、コショウ、ガーリック、シナモン、ローリエなどで味付けし、10〜15日間ほど塩水につけたものです。
燻製は、水分量を減少させて焼くか燻し、煙で風味付けさせたものです。スパニッシュセシーナ(スペイン、レオン)の燻製は、薫りが強く、特徴的な熟成味が一層引き立っています。また、PDO認定を受けている唯一の伝統的なルーマニアのソーセージ、プレシュコイも燻製されたものです。プレシュコイは、山羊肉もしくはマトンからつくられ、チリやガーリックなどの香辛料を加えた後に乾燥させ、燻製にします。